Ferrari F2008

フェラーリF2008

  • 全長 : 未発表
  • 全幅 : 未発表
  • 全高 : 未発表
  • ホイールベース : 未発表
  • エンジン : フェラーリ Tipo056
  • 形式 : V型8気筒・90度
  • 排気量 : 2,398cc
  • 燃料・潤滑油 : シェル
  • タイヤ : ブリヂストン

F2008は前年のF2007を正常進化させたマシンである。 旋回性に難があり、やや長過ぎたホイールベースを短く修正。苦手としていた“縁石超え”も徹底したサスペンション・ジオメトリー改善により問題としなくなった。 こうして弱点の芽を潰し、更に洗練されたF2008は開幕前テストから軒並み好タイムを刻み、揺るぎない本命となっていた。

シーズンが開幕してもその速さは健在で、序盤戦から他を寄せ付けないポテンシャルをみせつける。 しかしながら、好事魔多し。キミがモナコで躓いたのを境に、その鉄壁に思われたF2008の僅かな綻びが露呈する。 フランスでキミのエキゾースト・パイプが破損。そしてハンガリー、バレンシアでも両ドライバーにそれぞれエンジンブローが発生したのだ。 一昔前なら未だしも、各チームとも驚異的な信頼性を誇る現代F1においては深刻な信頼性不安である。

そしてもう一つ。2008年が雨の多いシーズンだったこともF2008を苦しめた。 F2007から受け継がれたこの“エアロ・マシン”はタイヤの発熱に問題を抱えていたのだ。シーズンが進むにつれ様々なアップグレードを施したそのマシンはまさに『エアロダイナミクスの結晶』と呼べる素晴らしいものであったが、雨あるいは路面温度の低いコンディションでのグリップ不足は深刻なままだった。 特にキミに関してはアップグレードを施す度に乗り難いマシンとなり、終盤はダウングレードを試みるという苦肉の策をおこなうほどであった。(この判断は正解だった!)

コンストラクターズタイトルを獲得したように潜在的な速さは一番だった。しかしながら上記のような欠点に加え、チーム&ドライバーのミスも重なりドライバーズタイトルを他チームに譲る結果となってしまった。 2009年は新規約を基に全く新しい形での再スタートとなり、自慢のノーズ・ホールをはじめ様々なエアロパーツが姿を消す。そんな厳しいエアロ規制に対してフェラーリがどのような“回答”するのか、じつに興味深いところだ。

inserted by FC2 system